Le città incantate

みわくのまち

70 min / 2017

  • Director : KENTAROH UEDA
  • Cinematographer : KENTAROH UEDA
  • Editor : KENTAROH UEDA

<あらすじ>
野村誠(作曲家・ピアニスト)とやぶくみこ(作曲家・打楽器奏者)が中心となり、瓦作りで知られる淡路島の小さな村「津井」で始めた音楽プロジェクト「瓦の音楽」。そのプロジェクトがイタリアの芸術の街「マントヴァ」と交流する。現地で彼らと合流したのが、ダリオ・モレッティ。彼は美術作家であり、この街マントヴァで10年以上続くこども向けの芸術フェスティバルの中心人物である。ダリオ、野村、やぶの3人によるユニット「テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ」は新作の舞台作品「みわくのまち」の創作活動に取り掛かる。

芸術フェスティバルと舞台作品のテーマは「まち」と「こども」であるが、カメラもまたそのテーマをなぞるように、「まち」と「こども」を独自の視点でとらえていく。

<この映画について>
私たちがまだ言葉を獲得する前のこと、世界はどんなだっただろう?音や光、色や形、ものの動きの推移を口を開けてボーっと眺めていたときのこと。最初はみんな少年少女だった。言葉はないけど、現象に名前をつけていた時のこと。言葉ではなく、「感じ」で人物や時間や風景など、いろんなことを記憶していた時のこと。

「テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ」の舞台作品には、言葉がありません。観客にとって、この作品はじっと眺めているだけでよい。「テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ」の3人の前で口を開けてぼーっと座っているだけで良い。それだけで、あなたが子どもだった時のことを思い出すはずです。もしくは「テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ」の作品を見ている子どもの顔も見てみるといい。彼ら彼女らは何を見て、何を感じているだろう?と考えるのが楽しい。

イタリアで1週間ほど「テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ」の創作と公演の様子を撮影して、以上のようなことを考えました。彼らの作品を実験的でありながら、同時に懐かしいと感じたのは、きっと子どもの時の記憶が呼び戻ったからだと思っています。「子どもの感じること」がひとつ主題でもあります。元・子どもとしての大人も、もちろんそこに含まれます。

この映画は町の映画でもあるのですが、この町ではアートが生活のすぐそばにあり、子どもたちは日常的にそれに触れ合っています。音楽に対して身体が動く様を見ると、楽しむことに慣れているように見えます。その中でもダリオさんの娘である、ライちゃんはその代表のようなもので、彼女は日々アートに触れています。ぜひ「子どもの感じること」に注目してこの映画を見てもらえればと思います。